オリーブオイルの搾油・ピクルス作

    9月の台風でオリーブの木は倒れてしまいました。
今回の台風の風は伊豆半島ではかなりの強風であったこと、木の剪定を怠り、枝葉が伸び放題に伸張し、風に対して倒れやすい状況であったことも倒木の原因と思われます。

元に戻し簡易の添え木をしましたが。3週間後に行ってみると倒木は免れていたものの、2本のオリーブの木は、傾いていました。(伊豆半島は風が強く、木は倒れやすい)
 
 
   
   幸い3週間前には緑色で未成熟であった果実が7割近く黒紫色に変化し、完熟しているものが多く見られました。
 また、1部は表面にしわが入り、これ以上おいておくと、収穫が十分にできないと判断し、枝葉を剪定することを決断。(台風で倒れなければ、11月末まで待って収穫することができたと思われます。)
 剪定した枝になっている果実を一つ一つ丁寧に収穫し、オリーブオイル、ピクルスを製造することにしました。



1 オリーブオイルの搾油.

 ルッカとミッションの2種類のオリーブの木を育ててきました。ルッカは未成熟の果実を含めて約1,620gの果実を収穫できました。 ミッションは木が小さく収穫量は約420gでした。
オリーブオイルの搾油は、それぞれの香り、味の違いを確認すべく別々に試みました。残念ながらミッションは十分な果実の量がなくオリーブオイルは確保できませんでした。

 ルッカのオリーブオイルの搾油状況の記録

 作 業 内 容 作 業 の 説 明  写    真 
 果実の収穫  果実のついた枝を剪定し、実を一つづつ収穫  
 果実を水洗

乾燥
  樹種:ルッカ

 果実を選別 左:未成熟(515g)

         中:完熟(815g)

         右:しわのある果実
               (290g)

  それぞれを水洗し、乾燥




下の写真は真中の完熟果実の拡大写真
 
 
 果肉の磨り潰し


果汁の濾過
 一粒ずつ手で磨り潰す。(完熟と しわのある果実)

濾過装置の製造
 ペットボトルを中ほどで切断し上の注ぎ口に濾紙を入れ、上の部分を下の部分に逆さに差し込む。上部に磨り潰した果肉を入れ、濾過液を下で受ける。

残念ながら、濾紙が目詰まりし十分な果汁は濾過できず、この装置の利用は断念。

果肉を木綿布に包み手で絞り出す。
 
 オイルと水分の分離
 
 上の写真
 絞った果汁を容器にとり3時間放置したもの

 左のビンはルッカの果汁
  上:オリーブオイル
  中:オイルと果肉の混合液
  下:水分と果肉の混合液

 右のビンはミッションの果汁
 

 下の写真
  上のルッカの果汁の分離液の拡大
 
 
  オイルの分離
 ルッカの最上部のオイルをスプーンで取り出す。

 搾油量:25cc
 (25ccは大匙2弱。食パン1〜2枚につける量ぐらい。)

 中間層は濾紙で濾過するも黒い果肉が分離できず。

 ミッションの最上部のオイルは黒い果肉が分離できず取り出すことが出来なかった。
 

 大変な作業にしては搾油量は少量。純手作りの純粋の果肉100%のエクストラ・バージン・オイルであると期待したい。

 果肉を搾って濾過しただけのなんら化学的処理を行わない一番搾りのオリーブオイルをバージン・オイル。その中で酸度が0.8%以下のオリーブオイルがエクストラ・バージン・オイルといわれます。果実の収穫後、そのままにしておくとどんどん酸化が進み、品質が劣化するそうです。高級品は果実の収穫後すぐに搾油するとのこと。ピユア・オリーブ・オイルは搾りかすを精製してできたオイルとバージンオイルと混合したもの。エクストラ・バージン・オイルで酸度が0.1%ぐらいのものは、高額でなかなか購入できる代物ではないと思いますが、これを機会に一度食してみたいと思っているところです。

 搾油したオリーブオイルは家族の誕生会で試食しました。フランスパンにバターのように塗布して食べました。
 フルーティな香りを楽しみ、美味しく頂きました。その後近くのスーパーで高級なオリーブオイルを購入し、同じようにして
食べてみましたが、私には、自身の手作りのオリーブオイルの方が、何倍も美味しく感じられました。
 来年もオリーブの実が出来れば、同じ要領でオリーブオイルを作りたいと思います。

 中間層にできたオリーブオイルを今回捨ててしまいましたが、ある人から「もったいない。あれは炒め物の油として使えば美味しい」と教えて頂きました。なるほどと、今になって口惜しがっています。



2.ピクルスの製造

     オリーブの未成熟の果実はピクルスに。
                       渋ぬきが必要で、苛性ソーダー液で行うそうですが、取り扱いが面倒で、今回は食塩水で行う事にしました。10日間、毎日食塩水を交換して行うようですが、成功するかどうかはわかりません。その後、ピクルス液を作り漬け込むそうです。 成功すればと期待するのみです。


完成したピクルス 

食塩水で渋抜きを続けていましたが、NHKテレビテキスト「 趣味の園芸」に「オリーブのカンタン塩漬けに挑戦」という記事を見つけました。その内容は「完熟した果実と、果実1sに対して一つかみ程度の祖塩を用意します。大きな果実はタネを抜き、水洗いしてから塩をまぶします。密閉容器に入れて振り、まんべんなく混ぜたら、冷蔵庫で保存します。3〜4週間以上おいたら食べごろ。食べるときに好みの加減まで塩抜きします。」でした。

 この過程を経てできたピクルスが右の写真です。

 硬い実も柔らかくなり、美味しく頂いています


 
 

 今回は楽しく貴重な経験をしました。ベランダの鉢植えでも立派なオリーブの果実が出来るそうです。
 
 是非挑戦してください。手作りの超エキストラバージンオイル味わってください。